ツネ語ログ

ツネザワシ(Tsunezawashi )です!漢字教育士をやってます。

【漢字ミュージアム】小学生からの、漢字の質問の話【自由研究】

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ご無沙汰してます。ツネザワシです。

近頃は、更新頻度がグッと落ちましたが…まあそれはさておき。

漢字ミュージアムまで、ボランティアに行って参りました。

なんと小学生から実に興味深い質問を受けまして…ちょっと話のネタにしようかなと思った次第。

※Q&Aなんて書いてますが、そこまでアンサーしてません。

この小学生、漢字が大好きとのことで、自由研究で漢字をテーマに調べものをしているようです。なかなか驚きました。今どきの子って、すごいですね…。

正直なところ、僕はボランティアとしてミュージアムに来ていたので、自分なんかでいいのか…?と思いましたが、いろんな人にインタビューをして、回答を集めているとのこと。保護者の方がいうには、誰でもよかったらしいです。

な~んだ、とほっとしていたら、なかなか鋭いクエスチョンが飛んできました。

 

なお漢字ミュージアムについては以下を参照。

www.kanjimuseum.kyoto

 

Q.今年の漢字は何だと思いますか?

いきなり、のっけからこんな質問が飛んできました笑

正直、これは予想するしかないので、正解なんて誰にもわかりません笑

全く考えてもいなかったので、「ごめん、ちょっと時間もらっていい?」と思わず「待った」の一手。

 

結局、2017年何があったかなあと過去のニュースを調べた上で、「荒」と無難な回答をしておきました。

政治家や芸能界や天候やら。まあ、いろいろ荒れてるかなあと…。

親御さんは、あぁ~と納得されてましたが、こんなんでよかったのか?と、モヤモヤは残ります。まあ、結局予想だしね…。

この小学生は「荒」という字をちゃんと覚えていなかったようで…やっぱり小学生は小学生だなあ…と思っていた矢先に、とんでもないストレートがブチ込まれることになります。

 

※なお、今年の漢字とは毎年漢検が発表している一年を表した漢字のことです。

毎年募集の上、年末に発表されてます。2016年は「金」でした。

「今年の漢字」一覧 | 事業・活動情報 | 公益財団法人 日本漢字能力検定協会

 

続いて2つ目の質問。

Q.「更格廬(カンガルー)」のように、なぜ外来語を漢字で表現するのか?

…これまた鋭い質問です。正直、昨今の小学生の知的好奇心を舐めてました。

そもそも、恥ずかしながら「カンガルー」の漢字を知らなかったので、その子の自由研究ノートを見せてもらうことに。

一体全体、どこから情報を集めてきたのかわかりませんが、たどたどしい字で「更格廬」と書かれているのです。でも、なぜカンガルー?このチョイスは…?

 

まあまあ。ははあ、明治の当て字だなと思い、字の意味はさておき、音を使って表現しているんですよ~と話をしておきました。本人はキョトンとしていましたが…。

ただ実を申せば、よい回答ができなかったのは事実です。その場でガッツリ文献を調べることも難しいですしね。言い訳なんですけど。

音を使った当て字に関しては、「夜露死苦」なんかがイメージしやすいとは思いますが、じゃあなぜ外来語を?という話の疑問を根本的に解決した訳ではないのです。

保護者の方は、はあ~なるほどね~と大人の対応・反応を示してくれるものの、いかんせん小学生レベルだと、知識と好奇心と理解が追い付いてませんので、僕もすご~く回答に困る。難しい。

 

そして「大熊猫(パンダ)」なんかの例も少し、蛇足かも知れませんがとりあえず紹介しておきました。中国で使われている表現を取り入れるケースもありますよ~と。

ただ、現地では「panda」って音ではないですよね?中国語に疎いので…後程調べてみたら、思った通り違いました。「dàxióngmāo」のようです。

※あとジャイアントパンダ(=パンダ)に関して少し補足を。パンダというと、もとはレッサーパンダが、パンダだったのだ。ややこしいけど。ジャイアントパンダの発見(=認知?)が1869年で、明治時代のスタートが1868年ということを考えると…結構際どいな…日本での呼称はどうだったんだろう。白黒熊・色分熊だなんて、呼び方もあるようだけど、これはWikipediaソースだからなあ。やっぱり文献当たらないと、詳しいことはわからない。余談ですが。

 

とまあ、結局お茶を濁すような回答になってしまいましたが、保護者の方はある程度納得?していたようです。小学生がどこまで理解できていたかはわかりませんが、自分としても、もっとちゃんとした回答をしてあげたかった…今回の反省点です。

 

 

と、ここで今、いろいろ調べなおしている訳です。

カンガルーの漢字ですが、どうやら中国語では「袋鼠(dàishǔ)」のようです。さらには、日本では「長尾驢」と表現することも。そのまんまですね。

「驢(ロ)」ってのは、ロバのことです。耳が長いのがミソ。

 

中国語の表現はさておき、辞書を引いても漢字が出てこないんですよね。

手持ちにはあまりいい文献・資料もないので、ネットの海に頼ると…「更格廬」の

方が「長尾驢」よりもヒット数は多い。

ただ、一体何が出典なのかがさっぱり見えてこない。この漢字読める?みたいな、まとめサイトばかり。何か、テレビ番組かどっかで紹介でもされてたんでしょうか?それこそ、漢検のテキストとか、難読漢字系の読みものに出ていたのかも知れません。

少なくとも、手持ちの旺文社の国語辞典には、カンガルーの漢字表記はありませんでした。スーパー大辞林もしかり。

ほんと、件の小学生は、何で知ったんでしょうか?

 

 

明治時代の新語・訳語だろう…?(適当)

で、話は戻りますが、この手の外来語の漢字表現というのは、明治の新語・訳語だろうと目星はつく訳です。この辺は小学生にも軽く話をしましたが、伝わっていたのかどうかは、なんとも。

開国からの文明開化ということで、欧米の概念がドッサリ入ってきた訳ですから、学者たち知識層も、頑張ったことでしょう(*貧弱な表現ですこと!)。どれぐらいのペースで新たな表現を生み出していたのかは…なんともわかりません。

そこまではきちんと調べてません!

 

「明治 漢字 新語」でググると、割と論文(PDF)がヒットします。ざっくり見ていると、やっぱりある程度は想定の範囲内なのですが…しっかりこの辺の事情を説明しようと思うとなると、福沢諭吉あたりの文献をちゃんと読み込まないとアカンような感じですね。

 

 

とまあ、ざっくり今回はこの辺で。

ボランティアとして参加しましたが、思った以上に考えさせられる機会となりました。

ミュージアムの情報は、近々続きをお伝えします。(なるはやで!)