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ツネ語ログ

ツネザワシ(Tsunezawashi )です!漢字教育士をやってます。

漢字の歴史(2)甲骨文字とその後

漢字 コトバ

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こんにちは。ツネザワシです。

今回は、前回の続きです。

tsunezawashi.hatenablog.com

「甲骨文字とその後」を、シンプルにご紹介します。

★甲骨文字の出現~前回の復習も兼ねて~

 殷の時代に甲骨文字が出現しました。紀元前1300年頃のことです。殷の後期にあたり、この時代以前に文字が使われていた可能性も十分にあります。

ただし、発掘された資料というのが、この甲骨であり、甲骨文字がが現存する最古の文字資料にあたるのです。

 

 亀の甲羅や牛・馬の肩甲骨に文字を刻み、 炙ることで発生するヒビ割れをもとに占いを行いました。 甲骨文字の中には、象形文字という実際の物の形や様子をモチーフに してつくられた文字もあります。

 

★金文の出現

 金文とは、青銅器に鋳込まれた文字です。青銅は、言葉は日本史や世界史などでよく聞きますよね。古くは銅のことを金と呼んだため、金文という訳なのです。

 

余談ですが…

青銅とは、銅と錫(スズ)の合金です。銅は、金属の中でも珍しい、色のある金属でです。祭器や武器として、幅広く用いられました。錆びてしまっているため、どうしても「緑青」のイメージが強いですが、本来は黄銅…すなわち黄色だったそうです。

銅は加工性に優れ、また耐久性もあります。現在でも高級調理器具メーカーが銅の鍋などを売り出していますね。また、古代エジプトやヨーロッパでも、銅は用いられておりました。

 

閑話休題。青銅器というのは、当時王が褒美として諸侯や重臣に与えるものでした。また戦いの勝利を記念し、後世への記録を残すためにも、金文は鋳込まれました。その字体は、甲骨文字よりも肉太に、そして装飾的です。ですから、金文の方がより「絵」に見えることもあるでしょう。

 

篆文については、また今度!

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★「申」の成り立ちを例に

 画像は「申」の字の、甲骨文字、金文、篆文を並べたものです。申は、雷の象形であり、稲妻を表しています。雷は、神が発するものと考えられており、そこから「もうす」という意味に繋がったのですね。確かに、甲骨文字の申はグニャグニャと屈折しているものの、稲妻の形に見えなくもないですね。もちろん、甲骨文字の書き手もいろいろな人がいたのでしょうから、もっとカクカくとした字形で表現する人もいたことでしょう。

 「神」の字に「申」が使われているのも納得ですね。なお「しめすへん」は、その名の通り、「示」のことであり、神への儀式などを行う台を表しています。

 

 ちなみに、雷がいわゆる「ジグザグ」している理由は科学的に解明されています。これは話すと長くなりますが、せっかくなので…雷は進みやすいルートを進んでは止まり、進んでは止まり…繰り返しながら進んでいきます。大変短い時間でそれを繰り返すので、ジグザグの形になるのです。雷の話も、また機会があれば。

 

この屈折した稲妻がもとになり、申という字には「のびる」という意味もできたのです。ですから「伸」や「紳」にも同じパーツや音があるのです。

こういったように、意味を表す部分と、音を表す部分を持っている漢字を「形声文字」と言いますが、これはまた今度、詳しく…

 

 そうして、私たちが現在使っている漢字は、この甲骨文字や金文、篆文を経て、さらには隷書、草書、行書…と様々な変遷の後、ようやく「楷書」に落ち着くことになるのです。

 

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参考文献・引用

『殷 中国史最後の王朝』落合淳思:中公新書

『常用字解』白川静:平凡社

『漢字源』藤堂明保:学研