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ツネ語ログ

ツネザワシ(Tsunezawashi )です!漢字教育士をやってます。

古事記とレディーファースト

今頃、古事記を読んでいます。と言っても、フルの原文ではありません。
読みやす~いように、手が加えられたのを読んでます。

齋藤孝の『声に出して読みたい古事記』を基に、ちょっと見ていきましょうか。

★スラスラよめる古事記

まあ、古事記入門編みたいな感じです。正直、読みやすいです。うん、読みやすい。
読みやすい理由としては、ルビが振ってあるから、解説が付いているから…など色々ありますが、中高で学習する古典よりも明らかに読みやすく感じます。

氏も、うたうようによめると言っておりますので、恐らくスラスラよめるのではないだろうか。

★女から男へ…はアカン!

で。まだ本書を全部は読んでないんですが、ちょっと気になる部分が。
その前に簡潔にストーリーを書きますね。

イザナミ(♀)がイザナキ(♂)に先に声を掛けるんですね。まあ男女ですからね、そんなシチュエーションもありますよね。

そしてまあ…男女ですからね、まあ色々あるんです。
そうして産まれたモノは…というと、失敗作でした。
(ちなみに「国土」を産もうとしているんですね。スケールがデカい。)

イザナキは女が先に声を掛けるのは不吉だなあ、って言ってるんですね。
で、結局そのままホントにダメだったと。
そこで、今度は逆パターンでやる訳です。男から声を掛ける訳だ。

なお、このときエラい神様に占いをしてもらってるんですが、「鹿の骨」を焼いて占いするんです。これってつまり、古代中国で行われてたことと一緒ってことですよね?
動物の骨を焼いて、その結果で物事を占ったという。そう、それが甲骨文字にも繋がった訳で。

*「兆」という字は、亀の甲羅を焼いて、出てきたヒビ割れを表している…というのが一般的。

イザナキから声を掛けたら、うまくいきましたとサ。
ではなんで男からじゃないとアカンのか、という疑問。

「女」って神聖な存在ではないのか?それこそ巫女として、子供を産む=豊穣の存在として。
それとも穢れた存在?子供を産む=血を伴うため?
両方?状況による?

この二神の、みとのまぐはひまでには、色々プロセスがあるんですが、その辺に触れ出すとかな~り長くなってしまうので、気になる方はググってみてね!
ガチの方がガチな感じで古事記を紹介してますから…。

 

★原因は古代中国思想?

古事記に詳しくないので調べましたよ。

割とどの人も古代中国の思想を挙げてます。
ストレートに言ってしまうと「男は女より偉い」ってヤツですね。
そういう思想を政治だとか普段の生活にも取り入れていく…その足掛かりとして古事記でもバッチリこんな回りくどいが描かれているワケです。

正直、割と納得してしまいました(爆)

★女性と、血と、魔力

ただここでお話終了!というワケでも行かないので、他のアイデアも見てみましょう。
おもしろいな~と思ったのは、古代中国における「女性と血」の考え方ですね。
女性と血、といっても女のコがケガして、「いったぁ~い」って、そんなポップなモンじゃないですよ。
ま、ストレートに言ってしまうと「月経と出産」です。

女の人は、月経によって血を流すワケですが…勿論、出産時も。
この血を伴うってのがミソで、「不浄な」存在として扱われるんですね。
さらに、出産という豊饒性、血という生と死の両義性によって、女性は「創造できる」スゴイ存在なワケなんです。

そら、子供という新しい生命を産みだせるワケですからね、スゴイですわ。
ただ神事や儀礼のときには、月経・妊娠を伴う女性は立ち入ってはならない、なんてことがあったようです。さらに言うと、割と近代の台湾何かでもそういう感じだったらしい。
今でも、出産前後というのは穢れた状態にあたるらしい。

★妊娠とは曖昧!?

妊娠することで、一人が二人になるような奇妙な状態になります。
そもそも何が産まれてくるのかわからない。男?女?

もしかしたら奇形かも知れない。それこそ当時の奇形なんて、かなりインパクトでかいでしょう。
古い時代なんて、近親婚が多く行われていたんでしょうから、遺伝の確率的にも奇形は多そうだけど。

他にも、死産するかも知れない。
何なら、母親が死ぬかも知れない。
生と死がウヨウヨしている。
二項対立のモヤモヤした状態なのである。

で、こういう生命の創造力、というのは神々の力と対立するのです。
本来であれば、神様が一番スゴくなければならない、のに。
血の破壊力はパネェ、ワケだ。
これには都合の悪い人もいたことでしょう!?

★結局、レディーファーストがマズいワケ

こういう考え方でいくと、確かに女性を先にする…ってのはマズいんでしょうね。
それは時の権力者なんかにとっては、正に都合の悪いことなので、イイ感じに男性優位の状況を作り出す必要があったと。
…結局行きつくアイデアは同じところだなあ。

他にもキーワードとしては、漢民族の「氏族」とか「父系中心集団」ってところが挙げられるでしょう。

何にせよ、当時の日本が中国から色々取り入れていた以上、こういった概念も自然と入ってきた…というか、統治のためにウマイこと取り入れて使っていったんでしょうね。

このテーマはここまで!
古事記は奥が深い!


PS.
ところで、イザナキでもイザナギでもどっちでもいいんですが、イザナギの方が言いやすいですよね。イザナキで、統一して書いてますけど。

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参考文献

『声に出して読みたい古事記』:草思社・齋藤孝

『性の民族誌』:人文書院
「血の霊力 漢民族の生殖観と不浄観」植野弘子