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ツネ語ログ

ツネザワシ(Tsunezawashi )です!漢字教育士をやってます。

弦を打つのは誰のため? ~まじないのスラッシュメタル~

「ダウンピッキングは、練習しないと衰える」

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弦打(つるうち)と突然言っても何のこっちゃですが。


弓に矢をつがえずに、弓弦(ゆづる)だけを引いて放し、弦をビュンと鳴らすこと

『魔よけとまじない』(埴新書:中村義雄)には書かれております。
「日本書紀」にはすでに弦打の概念が出てきているんだって。へえ。

どうやら弓矢には「辟邪(へきじゃ)」の効力があるようです。

辟邪というのは、悪いものとか、災いをとりのぞくことです。

何でも、桑の木の弓とヨモギの矢を用い、射ることで、男児誕生の祝福や無病息災を祈る、なんてことを行っていたらしい。
古代中国の話ですが、いったいぜんたい、どれくらい古代なのか…。

実際に弓というものに触れたことがないので、本当にビュンという音がするのかはわかりませんが、単純に考えて、強く張った弓であれば、そこそこしっかりとした音はするんでしょうね。

このビュン!という音で妖魔を退散させるという。
矢を射る方が効果がありそうな気もするが、そこんところ、既に古い人が試しており、
矢がダメなら音で、ということのようだ。
物理じゃなくて魔法で攻めるカンジね。

ところで、弦楽器を扱う身なので、「弦を鳴らす」ということにはなかなか共感はできます。
ベースなので、ギターみたいにピロピロ・ジャカジャカではなく、ブイブイ・ベンベンというカンジ。


と、閑話休題。
弦打はあくまでも和文(和語メインのとき)上の表現であり、漢文体では鳴弦(メイゲン)といいます。アイアンメイゲン、じゃなかった。メイデンでもない。
※今回は弦打で統一します。

では。魔除けといっても、具体的にはどのタイミングで?という疑問があるが、
平安時代には、読書、入浴、出産、病気、夜中の警護…などに弦打を行っていたらしい。
何でもアリ!

…まあ、そもそも弦楽器と弓の関係性がよくわかりませんが。
古今東西を問わず、武器・儀礼としての弓、そして楽器としての弓はどちらもあったんでしょうから、きっと、共通項があると思うのです。


ところでところで。

ベースの弦はギターの弦よりも太く、音もそれなりに低い。
低い音の方が響くのです。
ベースの方が弦打が似合うのでは?
…なーんて勝手に想像してしまいましたが、弦打(低音を鳴らす)→祈祷の詞を述べる→…以下いろいろ続く


という儀式のパターンがあったようなのである。
(何なら割と近代にて、皇族・民間問わず行われていたらしい)

ところでところでところで。
実際にベースの弦を弦打する…というのは、言ってしまえば開放弦を鳴らすことなのである。
そう、4弦=E(ドレミの「ミ」)の音をベンベン鳴らすことである。
※まあ別に1、2、3弦でもいいけど、4弦開放が一番低い音なので…。

あ、スラッシュメタルのギターであれば、表現としてはザクザクですな。
よく考えれば、メタルのギターの音は低音=LOWが強いのであるから、充分、弦打として使えるでしょう。


自分で書いといて、何のこっちゃ。
スラッシュメタルとはなんぞや!?という方は、ウィキペディアでも見ておいてください。あとはyoutube。

 

兎にも角にも、弦打からはスラッシュメタルのアティテュードを感じる。
全然高尚じゃないけど。

しかし開放弦をひたすら刻む=弦打するということこそ、正にスラッシュメタルの様式美なのである。

※話がどんどんコアになってしまって申し訳ない!
高尚ではないものの、スタンダードである様式美を貫くことは、一種のお決まり…
絶対に行うことが常である、儀礼的な行為のような気もする。
こじつけ感が半端ないね。
でも実際ひたすら刻む…そうダウンピッキングしているんだよぉ。

それは、魔除け…ではないものの、メタルではないものを寄せ付けないでしょう。
普通の人はスラッシュメタルなんて聴きません。
デカい音でベンベン・ザクザク音を鳴らせば、それこそ普通の人々は逃げ出すでしょね。
地獄よりひどいぜ!ってやつです。パンテラはスラッシュメタルではないけどね。


極論ですが、桑とか桃とか、厄払いの効果を持つ木を使って、弦楽器を作り…

そのギターやベースでスラッシュメタルをやる(=開放弦を刻む)ことが、現代的アプローチの弦打でしょう。

読書、入浴、出産、病気、夜中の警護…のときにスラッシュメタルを弾けば(聴けば)いいんじゃないかな。
決して魔除けではないけど。そう、現代的アプローチ。

 

 

※8/27補足

ダウンピッキングというのは、ギターやベースの弦を、上から下に向かって弾く、力強い弾き方です。

一説では、このダウンピッキングを高速で行い続けたプレーヤーは、腕の一部の筋肉、通称ダウン筋が鍛えられるといいます。

スポーツ選手とは違う筋肉が発達するらしいですよ!