大きな声を出したいと思うときがある。
気持ちの切り替え、の効果でもあるのか、そう、なんだかスッキリするのである。
体から悪いものでも出ていっているのだろうか。
…こんなよくわからない主張から、オハナシは始まる。カブラヤ!
それならよいものの、日常において大きな声というは忌避(なんて大袈裟だが、)される。
憚られる。嫌がられる。キショイって若い人に言われる。
見ちゃいけませんって子供は大人に窘められる。通報される。
そら、そうだ。
何なら、周りの人たちがサーッと蜘蛛の子を散らすかのように避けていくだろう。
しかし、なぜなのか?
単純に「大きい音」で考えれば、結構世の中というのは、うるさい音に溢れている。
うる世、というワケ。うる星じゃないよ、あしからず。
車、バイク、笑い声、会話・通話、選挙カー、某ドラッグストア。
ところで、珍走のバイクはなかなかうるさいが、うるさくないとそれはそれで、接近がわからないから危ない。
プリウスの例は、なんだか皮肉である。
*ではでは、騒音でググった際に上の方に出てきたサイトを見てもらおう。
※『東邦精機』という会社の資料を参考にしてます。
参考・引用 http://www.toho-seiki.com/info04_e.htm
普通の会話で60dB、これは「うるさい」部類のようだ。
そして、大声による独唱は90dB、これで「極めてうるさい」らしい。
なお、先ほどのプリウスの例で、55dBぐらいらしい。
人の方が車よりうるさいのか。意外。
まあ、人の声の音域とかも、関係するのかも。
ハイとかローとか、ミッドとか。
女性のキンキン声(失礼!)ってのは、ハイが強いから、ってことだろうし。
普通の会話で「うるさい」レベルなら、世の中やっぱり、相当うるさいワケである。
何度も言うが、うる世、である。
電車の中や、街の人混み、居酒屋、ああいうのは可也うるさいのだろうなあ。
うるさいところで会話はしたくないが、会話が充分うるさいのだから、
どの道、うるさくなるのですね。人のこと言えない世の中。うる世。
うるさいのはイヤな訳ですが、うるさくないといけないような場面もあるかと。
正直、大衆の居酒屋なんて、うるさいからこそ、アホな会話が紛れて丁度よいと思える。
居酒屋で…サラリーマンが集えば、罵詈雑言が飛び交う、呪詛タイムの始まりである。
学生でも、OLでも、主婦でも、中間管理職でも。
みんな、悪口を言い合って、陰口を叩きまくる。
そういうのが、思いっきり筒抜けで聞こえる環境は、よろしくないのである。
仲間内だけで、悪いコトを共有し、留めておく。
しかし鬱陶しいことに、こういった居酒屋で、敢えて他人に聞こえるように、
矢鱈うるさく喋る輩もいるワケで。
ここで思うのは、「大きな声」を出すイミである。
勿論、ミエとかプライドから、大声で自慢するかのように、あるいは他人を馬鹿にするかのように…喋る場面はあるだろうけれども。
大きな声を出すことは、威嚇といった表れではないかな、と。
威嚇の対象というのは、周囲のジャマ者に対してでは、なかろうか。
言ってしまえば、自分たちが気持ちよく喋るにあたって、結局は周囲の存在はジャマになってくるのであろう。
ジャマ者がいなくなると、今度は自分たちのオシャベリだけは浮いてしまうから、
それはそれでよろしくないのだろうけど。ジレンマ。
*中村義雄著の『魔よけとまじない』という本に、
声を出すことによる厄除け(厄払い)…だったかな?
…そんなのが載っていたが、割と納得できてしまう。
居酒屋に限らず、街中をデカイ声でブイブイ言わせながら闊歩する者たちは、
ある意味その声によって周囲の人間を遠ざけているのだ。
(彼らこそ最も厄、のはずなのだけれども。)
その手の者たちは、格好もブイブイ言わせているような方々なので、
視覚・聴覚どちらも有効活用して判断できる。
まあ、こちらから言えば、「厄除け」は確かに簡単なのかも。
*声で威嚇、というとニュージーランドの伝統舞踊、「ハカ」なんかも面白いかも。
ウィキ先生やyoutubeなんかを見てもらうのがてっとり早い。
どうやら威嚇以外にも、「友好」や「哀悼」のためにも舞うらしい。
ラグビーのオールブラックスのハカを見ていても、威嚇としか感じません…。
ガタイのいいタフガイたちがガアガア言いながら舞う姿は、なかなかにイカツい。
しかしこれをヒョロガリのパンピーだったら…かなりショボそう。
タフガイの特権。
大きい声は、大きい声を出しそうな人たちが出すからこそ、説得力があるのね。
何なら、うるさいやつらは、うるさくしていても怒られない。
誰も怒らない。いや、怒れない。
うるせいやつらは、往々にしてイカツいのである。
うるさい!って正論言ってもいいけど、トラブルの元。こっちが静かに、されてしまう。
…まあ、そういうときはさっさと通報しましょう。
大きな声は厄を払い、且つ厄を呼び込む…。